1992年に竣工した、坂倉建築研究所時代に担当したオフィスビルです。 甲州街道に面していたために、騒音からの配慮から道路側に、エレベーターシャフト、トイレなどの水周り、避難階段などを配置しています。 南側の事務所空間は開放的なガラススキンで被い、大変景色の良い執務空間です。
今でこそ透明ガラスの建築物は街中に多くみうけますが、 当時はスパッタリングガラス(超高性能熱反射ガラス 昔はやったミラーサングラスみたいなやつ) の全盛期でした。 ファスナリングまでをすべて見せている透明ガラス建築は珍しかったと思います。
建築家にとっては忙しくて悲鳴を上げつつも幸せな時代、 色々と凝ったDETAILも各所にありますがその辺は又、追ってアップします。
ガラスカーテンウォールの断面です。 当時開発されたシリコンガスケットは 金属面が外部に出ないため熱伝導率も低く、 それまでのジッパーガスケットよりも劣化せず、 施工性も良いものでした。 またシリコン自体が本来無色透明ということで 色は自由に作り出すことが可能です。 1枚のガラスごとに円環状のガスケットでガラスを パッチンと留めていくので、 全体には紫色のサッシュに見えていますが 実際には市松模様に濃淡2色のガスケットで カーテンウォール面を構成するなど 色々やってました。