Dear日本橋タワー

2003年問題に揺れ動きつつも、新しいビジネス拠点地域として次世代に向けて変化を遂げつつある日本橋地区に建つ店舗・事務所ビルです。
建物企画は市場の動向を常にマーケティングするかたちで、竣工段階まで行われました。

企画段階では本社ビル、共同住宅等の検討もなされましたが、最終的には機能と合理性をしっかりと押さえることを目指した賃貸事務所ビルとして設計を完了いたしました。

6月に一旦完成後、新オーナーへの建物の引継ぎがあり、市場価格とグレードのバランスを上方に設定されたいとの要望により、外観及び1,2階のエントランスの改修工事をおこないました。

グレードアップ工事項目としては全体の建物イメージバランスを損なわないよう、基本材料のコンクリートにステンレスを象嵌する、あるいは打ち放しの柱、梁を生かすブラックスレートの壁装材及び壁際の間接照明など、メタル、石等の素材をクラフトワーク的に使用した意匠によりグレード感を付加いたしました。
また、1階のエレベーターホールにはメタルワークのアートを設置いたしました。

Design Concept
2004.10.02

Design Concept_01
都心部の小規模土地有効活用へ向けての再構築
■土地の記憶継承と新たな街並み賑わいの創出
新築前からの既存のお店と、上層階利用者のエントランスホールの双方を
全面道路に面して配置し、1階足回りに賑わいを生み出す計画としました。

■地区計画制度の活用
1階や上層部に店舗を導入することで、中央区が設定した日本橋地区計画制度である
「街並み誘導地区計画」及び「機能更新型高度利用地区」を採用。
高容積率の確保、道路斜線制限の緩和により、スレンダーでシンボリックな
13階建ての形態としました。

■資産価値判断からのSRC造選択と地盤の再整備(地耐力の確保)

資産価値担保の高い構造形式としてSRC造を選択しました。
地耐力、上部構造の負担に十分耐えうる地盤の再整備をおこないました。
Design Concept_02
商業施設としての多用途対応型ビルディングスタイル
■飲食店舗、共同住宅対応も可能なストラクチャー&ファシリティー
現状は金融等、サービス業店舗の導入想定ですが、
飲食店舗等の導入も可能なように自家発電設備等の防災設備の設置スペースや耐加重を
屋上に計画してあります。屋上広告フェンスの設置も可能です。
SRC造なので振動、騒音への高要求施設である共同住宅、SOHOへの対応も可能です。
Design Concept_03
高レンタブル比とフレキシブルプランニング可能な平面
■整形な居室空間の確保
居室空間(専有部)は純ラーメン構造の整形な形状としました。
水周りは専有部に設け、将来のフレキシブルなプランニングに対応できるよう
水周り想定エリアのスラブを下げて床上配管としました。


■防災、構造、機能性に配慮したコアプランニング
防災的に開放性の要求される外部避難階段は構造フレームの外側に配置しました。
開口部の少ないEVシャフトはボックス状の独立した形状として構造的に自立させ、
居室空間への振動や音に配慮しました。
OA取入やメンテナンスが容易な各階階段周りに個別空調室外機を設置しました。
Design Concept_04
内部環境、外部景観に配慮、構造上も整合した開口計画

■側面基準開口
建物側面の開口は採光、換気や防災時の非常用代替進入口、消防法上の有窓開口といった
機能や法規、また内部の使い勝手(キャビネット等収納の配置)、
景色の見え方を考慮してデザインしました。
主要構造である柱、梁と非耐力壁の境部分に開口を計画してあり、
地震時の変形をサッシュ及びガラス部のクリアランスで吸収します。

■フロントサッシュ
ファサード面の西側前面はガラスカーテンウォールによる大型開口を計画しました。
力骨となるサッシュ材の無目にスチールロッド材を採用し、
テンション材で吊ることで内外共にスレンダーかつ開放感の高い開口部としました。

Design Concept_05
ベーシックな材料の選択と飽きのこないカラーリング

■構成材料
基本外装は、
外壁にコンクリート打放し浸透性撥水材塗装、
開口部はステンレスサッシュ、アルミカーテンウォール、
金物はスチール溶融亜鉛メッキドブ付やステンレス材といったベーシックな材料を選択しました。

■カラーリング

基本的には素材感を損なわない色彩計画としました。
スケルトン、クラウディング、インフィルの明快な構成が
ベーシックなビルディングスタイルとして将来にわたって建物内外に継承されるよう
壁面はグレーとホワイトの2色のカラーリングとしました。

■シンプルでスタイリッシュな低層部及びエントランスホール

低層部外壁及び1階エントランスホールは新オーナーのご要望で
仕上のグレードアップを行いました。
基調となるコンクリート打ち放しを活かしつつ、外壁にはステンレス材の象嵌、
エントランスはコンクリートの柱、梁を際立たせたシックな空間となるよう、
ブラックスレートの壁と間接照明によるデザインとしました。

(仮称)Dear日本橋タワー日本橋ビル建築概要

建築主

株式会社 イブキ

 

設計者

リバックス建築環境計画

 

 

細江英俊建築設計事務所

 

設計協力者

木村佳央建築構造設計室

(構造)

 

大瀧設備事務所.

(電気設備)

 

野田学

(機械設備)

施工者

ナカノフドー建設

 

所在地

東京都中央区日本橋2丁目1番18

 

地域・地区

商業地域

 

 

防火地域

 

主要用途

事務所・店舗

 

敷地面積

129.76u

 

建築面積

102.04u

 

延床面積

1165.58u

 

規模

地上13階

 

構造

SRC造

 

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